甲府駅北口の鉄道跡地 区画整理の前と途中を 3 つの年代で
甲府駅の北口に広場と公共の建物が並ぶのは、鉄道の跡地を使う区画整理が 1991 年度に始まった後のことです。甲府駅北口 で開ける 3 つの年代の写真は、1961〜69 年と 1974〜78 年が事業の着手の前、2007 年度が事業の途中にあたり、鉄道の跡地が組み直される前と途中を一つの地点で並べられます。
この記事では、甲府市の資料にある区画整理と駅の周りの整備の年月を写真の撮影の時期に重ね、区域の土地の使い方がどう組み替わったかを数字で確かめます。
区画整理の前の 2 枚と途中の 1 枚
この地点の 1961〜69 年の一枚は 1962 年 5 月の撮影で、1974〜78 年の一枚は 1975 年の撮影です。どちらも 1991 年度の区画整理の着手より前で、1975 年の一枚から着手までは 16 年あります。2007 年度の一枚は、施行期間の 49 年度のうち 3 分の 1 ほどを過ぎた時点にあたります。
施行期間の終わりの 2039 年度は、2026 年 7 月に更新された甲府市の頁の値です。同じ頁には 2026 年 7 月の告示として、この事業の仮換地の通知についての公告も載っており、区画整理は 2026 年時点でも続いています。
写真の年代と北口の整備の年月
甲府市の資料にある整備の年月を、この地点の写真の撮影の時期と並べます。2007 年度の一枚は撮影の月が分からないので、2007 年度の中の出来事は前後を決めずに「同じ年度」としました。
| 年月 | 出来事 | 写真との前後 |
|---|---|---|
| 1903 年 | 中央線が甲府駅まで開通する | 1962 年 5 月の撮影の前 |
| 1991 年度 | 甲府駅周辺土地区画整理事業に着手する | 1975 年の撮影の後 |
| 2003 年度 | 甲府駅周辺拠点形成事業が始まる (2010 年度まで) | 2007 年度の撮影の前 |
| 2004 年 3 月 | シビックコア地区整備計画に国が同意する | 2007 年度の撮影の前 |
| 2007 年 2 月 | 甲府中央消防署が完成する | 2007 年度の撮影の前 |
| 2007 年 3 月 | 甲府市歴史公園が完成する | 2007 年度の撮影の前 |
| 2007 年 8 月 | 自転車駐車場が完成する | 2007 年度の撮影と同じ年度 |
| 2010 年 7 月 | 北口駅前広場が完成する | 2007 年度の撮影の後 |
| 2010 年 10 月 | 藤村記念館が開館する | 2007 年度の撮影の後 |
| 2010 年 12 月 | よっちゃばれ広場が完成する | 2007 年度の撮影の後 |
| 2013 年 3 月 | 甲州夢小路が開業する | 2007 年度の撮影の後 |
| 2039 年度 | 区画整理の施行期間が終わる (市の頁の値) | 2007 年度の撮影の後 |
2007 年 2 月と 3 月は 2006 年度の終わりにあたるので、2007 年度の一枚は消防署と歴史公園ができた後で、北口駅前広場とよっちゃばれ広場ができる前の撮影です。表に載る 7 つの施設のうち、撮影の前に完成したのは 2 つ、同じ年度が 1 つ、後が 4 つで、整備の山は 2007 年度の一枚より後に来ています。
1961〜69 年と 1974〜78 年 構内が幅を保っていた北口
1962 年 5 月と 1975 年の 2 枚に写る、駅の西で膨らんだ構内の線路の束と、北へ広がっていく家並みの見え方は、1903 年の開通の時の線路の通り方とあわせて、甲府駅北口 の地点ページの解説にまとめてあります。
2007 年度 区画整理の途中の一枚
2007 年度の一枚は、構内の跡の土地が組み直される途中の撮影で、2003〜2010 年度の拠点形成事業の 5 年度目にあたります。
宅地が減り公共用地が増えた区画整理
甲府市の資料によると、甲府駅周辺土地区画整理事業は、鉄道の跡地などの大きな空き地を使って土地の基盤を整え直す事業です。施行面積は 21.9 ha、総事業費は 458.5 億円で、平均の減歩率は 18.63% です。
| 区分 | 施行の前 | 施行の後 |
|---|---|---|
| 宅地 | 19.3 ha (88.1%) | 14.5 ha (66.2%) |
| 公共用地 | 2.6 ha (11.9%) | 7.4 ha (33.8%) |
| 合計 | 21.9 ha | 21.9 ha |
宅地は 4.8 ha 減り、公共用地は同じ 4.8 ha 増えて 2.8 倍あまりになります。公共用地は施行の前の 1 割あまりから、施行の後は区域の 3 分の 1 になります。用途地域は商業地域が 20.7 ha、第二種住居地域が 1.2 ha で、区域の 9 割あまりが商業地域です。
拠点形成事業で北口にできた施設
区画整理とは別に、甲府市は 2003 年度から 2010 年度まで、25.5 ha で甲府駅周辺拠点形成事業を進めました。事業費は 24 億円です。
| 施設 | 完成 | 面積 |
|---|---|---|
| 甲府中央消防署 | 2007 年 2 月 | 1,633 平方メートル |
| 甲府市歴史公園 | 2007 年 3 月 | 6,039 平方メートル |
| 自転車駐車場 | 2007 年 8 月 | 784 平方メートル (1,020 台) |
| 北口駅前広場 | 2010 年 7 月 | 3,658 平方メートル |
| 藤村記念館 | 2010 年 7 月 (10 月に開館) | 建築面積 189 平方メートル |
| よっちゃばれ広場 | 2010 年 12 月 | 4,827 平方メートル |
| 甲州夢小路 | 2013 年 3 月に開業 | 3,224 平方メートル |
甲州夢小路は、市の資料では民間の事業者による施設とされています。
シビックコア地区の 8.1 ha
国が 2004 年 3 月に同意した甲府市シビックコア地区整備計画 (8.1 ha) では、施設と機能の配置は 11 項目あり、そのうち山梨文化会館とベルクラシック甲府の 2 つは計画の前からある建物として入っています。国の行政機関の 9 つの官署を集める新しい合同庁舎や、NHK 甲府放送局、県立図書館も配置の項目に並びます。
市街地の割合と地価公示で確かめる
国土数値情報の土地利用で見ると、この地点の半径 500 m の市街地の割合は、1976 年の 100% から 2021 年の 91% へ 9 ポイント下がりました。1976 年は 1975 年の一枚の翌年で、区画整理の着手の 15 年前にあたり、その時点で半径 500 m はすべて市街地でした。
地価公示の標準地は、中心から 1,060 m 離れた甲府市武田 3 丁目の住宅地で、区域の 9 割あまりを占める商業地域の値ではありません。2026 年公示までで最も高いのは 2004 年の 8 万 3,900 円で、2026 年公示までで最も安いのは 2024 年と 2026 年の 6 万 1 千円です。
| 年 | 価格 |
|---|---|
| 2004 年 | 8 万 3,900 円 |
| 2006 年 | 7 万 500 円 |
| 2007 年 | 6 万 8,800 円 |
| 2010 年 | 6 万 6,700 円 |
| 2013 年 | 6 万 3 千円 |
| 2015 年 | 6 万 1,300 円 |
| 2016 年 | 6 万 1,100 円 |
| 2022 年 | 6 万 1,100 円 |
| 2024 年 | 6 万 1 千円 |
| 2026 年 | 6 万 1 千円 |
公示の価格は毎年 1 月 1 日の値なので、2010 年の 6 万 6,700 円は 2010 年 7 月の北口駅前広場の完成より前の値で、2013 年の 6 万 3 千円も 2013 年 3 月の甲州夢小路の開業より前の値です。
県都やほかの駅前と比べる
駅前の写真が 1961〜69 年からそろうほかの 4 地点の写真の年代と市街地の割合は次の表のとおりで、駅に接した用地の比べ方は 浜松駅や富山駅の跡地を比べる記事 にまとめてあります。
| 地点 | 写真の年代 | 市街地の割合 (1976 年 → 2021 年) |
|---|---|---|
| 甲府駅北口 | 1961〜69 年 / 1974〜78 年 / 2007 年度 | 100% → 91% |
| 飯田駅前 | 1961〜69 年 / 1974〜78 年 | 100% → 92% |
| 米沢駅前 | 1961〜69 年 / 1974〜78 年 | 87% → 92% |
| 宇都宮駅東口 | 1961〜69 年 / 1974〜78 年 | 43% → 88% |
| 高崎駅東口 | 1961〜69 年 / 1974〜78 年 / 1979〜83 年 / 1984〜86 年 | 99% → 99% |
鉄道の跡地が街に替わったほかの例は、操車場の跡地を読む記事 にまとめてあります。
年代を送って確かめる
甲府駅北口の地点ページで 1974〜78 年と 2007 年度を交互に切り替えると、区画整理の着手の前と途中の駅の北が比べられます。
本記事の価格は各時点の実例であり、執筆後の市場価格を反映するものではありません。